山邊時雄特命教授のインタビュー記事「リチウムイオン二次電池、研究開発の源流を語る」が、月刊「化学」に掲載されました(3/1)。 | 長崎総合科学大学 新技術創成研究所
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山邊時雄特命教授のインタビュー記事「リチウムイオン二次電池、研究開発の源流を語る」が、月刊「化学」に掲載されました(3/1)。

2016/03/01

山邊特命教授(元本学学長、京都大学名誉教授)は、リチウムイオン電池、リチウムイオンキャパシタなどの基礎研究に当初からかかわってこられました。このたび、雑誌「月刊・化学」の取材を受けられ、携帯電話などの電源として広く利用され、最近では日本発の技術としてノーベル賞候補として取り上げられることも多いリチウムイオン電池の研究開発の黎明期(1980年前後)について、一般には余り知られていない事実を含めて判りやすく総括的に説明されました。 その中でご自身の研究の評価として、「リチウムイオン二次電池の負極材料の研究開発には二つの方向があって、グラファイト相関化合物を中心とする電気化学分野からの流れと、ポリアセチレンを源流とする新しい炭素半導体材料分野の流れがあり、実用化に向かっては、結論的には後者が主導的な役割を演じた」、「(それらを含め」技術開発の大きな流れをみると、今日のリチウムイオン二次電池の負極は、我々のPAS(ポリアセン系有機半導体)の技術に由来すると考えられる」と述べられています。   

 

 プロフィール


 

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京都大学名誉教授・長崎総合科学大学特命教授

やまべ・ときお

● 1959 年京都大学工学部燃料化学科卒業,1981 年京都大学工学部教授, 2000 年(財)基礎化学研究所研究担当理事,2001 年長崎総合科学大学学長, 2005 年長崎総合科学大学新技術創成研究所所長などを歴任. 現在,京都大学名誉教授,長崎総合科学大学新技術創成研究所特命教授, NPO 産業技術推進機構長崎 理事長  

 

参考資料

随想「基礎科学の創造性と役割」

 ★月刊「化学」に掲載されたエビデンス資料

(1)『合成金属』(〈化学増刊87〉,白川英樹・山邊時雄 編,化学同人,1980 年刊)

(2)P. J. Nigrey, D. Maclnnes Jr.,D. P. Nairns, A. G. MacDiarmid, A. J.Heeger,

“Lightweight Rechargeable Storage Batteries Using Polyacetylene,(CH)x as

the Cathode-Active Material,”J. Electrochem. Soc., 128, 1651(1981)

(3)T. Yamabe, K. Tanaka,K.Ohzeki, S. Yata,

“Electronic Structureof Polyacenacene.

A One-DimensionalGraphite,” Solid State Commun., 44,823(1982).

(4)1977 年にM. Armand らが,グラファイト層間化合物と金属リチウム箔を組み合わせた

蓄電池の構想を発表していたが,適切な電解液は見いだせなかった.M. Armand, P. Touzain, Mater. Sci.Eng., 31, 319(1977)

(5)リチウムイオン電池の開発の流れをまとめたレビュー論文(これで全てが分かる)

P. Novák, K. Müller, K. S. V. Santhanam, O. Haas, “Electrochemically Active Polymers for Rechargeable Batteries,”

Chem. Rev., 97, 207(1997).

 

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